少女の旅

  「?」

   いつものように朝起きて,着替えて,ご飯を食べて,登校している途中。 お話の主人公アリスは,今,腕をつかまれ足止めを食らいました。 しかも,なんというか,明らか怪しい男の子に。 頭にはかぼちゃの,被るのはハロウィン以外許されないような帽子を被り,それからはみ出る黒い髪は艶やかで綺麗です。 同じく澄んだ潤いのある黒い瞳でアリスを見て,男の子はこう言うのでした。

 

  「今日は,誕生日ぢゃ無い日をお祝いする日なんだ」

 

「……………」



   はい?今なんと?今日は祝日だっけか? だからって"誕生日じゃない日"はないだろう。 ていうかそもそも何で初対面のわたしにそれを言うんだろう。 と,ちょっと本気で悩み始めていたアリスに男の子はこういうのです。

 「今日はなんでもない日を祝う日なんだ」

 

「…………は? 」

 

アリスは困りました。こんな小さな男の子を無視していくか。それとも,流石に それはかわいそうなのでせめて「そうなんだ。オメデトー。」と言って流すか。    後者にしようとした優しいアリスは,

 

「君も不思議の国に行かないかい? キヒヒ!!」

   特に最後の笑い声により,前者を選びました。無視しよう。シカトしよう。 私はなんにも見ていないわ。 そう思って歩こうとした冷たいアリスは一歩…  

 

「こんなに可愛い帽子屋ボーイを置いてくなんて。あなた冷たいですネ? 」

 

 

  …踏み出せませんでした。なんか怪しい黒マントが,さっき男の子のいた位置から そういって,アリスを ひょいっ とお姫様抱っこ。



  「は!?? …えっちょっ待っ…!!!」

 

  どんどん蒼白な表情になる主人公。王道ですね。

  「んじゃ,行きますカ? 」

  「っんぎやあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

    黒マントとともに,地面のそこにずぶずぶと沈みます。…王道ですね。